Allgood-Life!! バカンスはモザンビークにて。

コミュニティ開発隊員として2018年1月から2年間、モザンビークのリバウエという田舎町に行ってます。おいでよリバウエ

ぐうの音

これからは確り書こうと思った2月から早7か月、、、最長のブログ不更新歴を作ってしまった。。。ども小倉です。

 

これまでの半年を振り返るのはめちゃムズイんでそれは今度やろうかなと思うんだけど、今日ちょっと思ったことがあったのでそれを書こうと思う。

 

内容自体は大したものではない。着任してすぐの時も思ったことだと思うし、1年くらい経った時にも感じたことだと思うから、目新しいものは何もない。

ただ、残り3か月(帰国自体は4か月だが、任地にいるのは3か月程度だろう)の隊員生活を考えたときに、なんか「うわぁっ」て改めて思ってしまった。後任に上手く繋げられるようにがんばろ。

 

ことの発端は一番仲がいい同僚(若いし頭もいい、家柄もよく金も人脈もある、いわゆる持ってるやつ)に「エタノール」てどこで売ってる?って聞いたことだった。

「薬局なら売ってんじゃない?」って一言でやっぱそこだよなーと思いつつも、「なんでエタノールなんか欲しいんだ?何に使うんだ?」って話に。

 

 

 

今任地の農業学校で何か活動できないかなと思って授業見学させてもらってんだけど、授業を見てて一つ疑問に思ったことがあんのね。それがPHの概念について。この作物に理想のPHX~Yです、みたいな授業とかはしててそういう知識はあるんやな、と思ったんだけど、PHが変化するものっていう概念がないんじゃないかと思ったわけよ。ていうのは、ここで土壌改良のために石灰を入れてたりとか、草木灰を入れてたりする人を見たことがなかったから。

 

勝手な思い込みかもしれんけど、ある植物に理想のPH値があって、しかし土壌がそれに適したPH値でなかった場合、何らかの方法で理想値に近づける方法とかを教えるべきだろうなと思って授業聞いてたのね。でもそしたらそんな話はなくて、「はいジャガイモの理想PHXXXですね、んでトウモロコシのはYYYです」的な感じで授業が進行していってて、生徒たちがそれに対して特に質問することもなかったから、すごく不思議だった。

 

んで授業後に生徒たちに「例えばトマトを育てたいとして、その土壌が理想のPHに入ってなかったらどうする?」て聞いてみたら「PHは変わらないから、土地を変える」との返事だった。日本だと酸性土壌を改良するために石灰とか草木灰を入れるんだ、って話をすると、目を丸くしてた。

 

多分、このモザンビークの様々な教育現場で問題になってることだと思うんだけど、知識が全部理論的・絶対的でしかない。Aは常にAである。Bにもなるかも、みたいなのは許されない。それって、例えば数学なら作図や証明、理科なら各種実験がないから起こるものなのかなと考えたりした。

 

 

そんで、PHが変わるもの、という概念がないんだったら多分実験したら一発だよなーと思ったわけよ。それでPHについての実験(リトマス試験紙とかBTB溶液を使うやつ)みたいなのができないかなと考えていて、でもBTB溶液もリトマス試験紙もないから自作するしかないなと思い、なんか自作できそうなPH測定できるものないかなーと思ったところ、紫キャベツやナスの色素をエタノールで抽出したらBTB溶液的な感じで使えるってのを発見したから、これで行けるわと思ってエタノールがどこで買えるか同僚に聞くことになった、て感じ。

(今調べなおしたら、別にエタノール使わなくても作れることが分かったけど。。。まぁいいか。)

 

前置きが長くなったw んで、そんな話を同僚としてて、「酸性土壌だと作物が育たないのを知っているか?アルカリ性なら育つんだ」て感じになり、「強酸性も強アルカリもだめだよ、弱酸性~中性が理想」みたいな話をしてたんだけど、そういえばこいつは酸性土壌を改良する方法を知っているのかと思い聞いてみたら、「石灰を入れるんだ」って言ってて、「石灰を入れたらめちゃくちゃ収量上がるんだぜ。化学肥料よりも安いしコスパめちゃいい!化学肥料よりも石灰の方がいいんだ!!」とまで言うもんだからそこは言い過ぎじゃんとは思いつつも、こいつはやっぱり農業に関する知識が幅広いなと感心した。

 

現状に対してどうやったら変化が加えられるか、どのようにやるのが効率的か、あんまり考えられる人いないからね。それ以外の人が単純に情報収集してないのかもしれないけど、やっぱり知識がない人が大多数を占める中で知識を持っている人は強いと思った。

 

んで、それから会話はこう続いた。

 

俺「田舎の農家はそんなこと知らないんだよね。あと金もないし」

同僚「確かにあいつらは知識は少ないけど、金がないってことはないよ。肥料買える奴もいるしでかい農家は金あるしな」

俺「まぁ金持ってるやつはいるよな。でもそいつらも石灰使ってるのは見たことないよ」

同僚「知識ないからな」

俺「教えてないの?あの大農家はお前と仲いいだろ?」

同僚「普及員は夫々担当地域が決まってるから」

俺「普及員たちは石灰の有用性知ってるよな?」

同僚「いや多分知らない」

俺「え知らないの?農業学校で勉強しないの?」

同僚「しないな。あそこは大したこと教えてくれない。俺もこういう知識は自分で勉強して身に着けたもんだから」

俺「そうなのか、でもそんならあいつらにも教えて農家にも広めてもらうのが良くない?」

同僚「それはそうだけど俺たちが頑張ってあいつらに教えてやる必要はない」

俺「なんで?」

同僚「何かを教える人が態々生徒を呼んで教えるべきか、何かを教わりたい人が先生に対して教えを乞うべきか、どっちが正しいと思う?」

俺「まぁそりゃ後者の方が理想だけど」

同僚「だろ。興味があったら人は聞きに来るのさ。お前がやったボカシにしてもそうさ。職場から近いんだから行けばいいだけの話。でもあいつらは聞きに来ない。興味がないんだ。普通の仕事もしないしな。お前あの新人からどっか連れてってくれって言われたか?お前が来たばっかのころはどうだった?一緒に行動するようにがんばってたろ?でもあいつらはそうじゃないんだ。そもそも仕事に(農業に)興味ないのさ」

俺「でも知識の共有の場もないってのもあるぜ。うちの職場会議ぜんぜんないから」

同僚「それは上の連中がやってないだけ。どっちにしても俺らの問題じゃないし俺らが頑張ることではないだろ」

「ぐう」

 

こんな感じで、できる同僚はその他の同僚に愛想を尽かしている感じが伝わってきた。自分の担当領域と、自分の畑が成功してれば他の奴らの仕事は関係ないな的な。自分にとってこの同僚は、最初から仲良かった一番の同僚であり、知識も経験も人脈も節度も金も持ってるすげーやつだからとても頑張ってほしいし、その能力も持ってると思うんだけど、その分、他同僚のやる気というか仕事に対する姿勢みたいなものに失望している感じもあり、なんかすごくやるせなくなった。

 

このSDAEは職場内のコラボレーションに問題がある。なんとかそれを打開して最後ここを去りたい。あと3か月しかいない人間のエゴだけど。どうにかしてぇなぁ。

 

そんなことを思いつつ、帰国後の旅行やら留学のプラン立ててますなう。